テオ・アンゲロプロスは、ギリシア出身の映画監督。
旅映画アンテナを立てていると、度々この名前がひっかかる。
テオ・アンゲロプロス、恐竜のような名前の響きがなんだか堅苦しくて小難しそうなイメージで、長いこと作品を見たことがなかった。
独特のテンポ、ノスタルジックな音楽、おさえた色彩、詩的で美しい絵。
多くはギリシアを舞台にしている。
と、いっても、紺碧のエーゲ海も遺跡も出てこない。
曇った灰色の空の下、寒々とした鄙びた町。
ギリシアのイメージが覆された。
『旅芸人の記録』(1975)
舞台はギリシア。
旅一座の家族を通じ、ギリシアの歴史と政治史から語られる壮大な抒情詩。
『蜂の旅人』(1986)
舞台は北ギリシア。
養蜂しながら旅する老人が、ヒッチハイクの少女と出会ったり、家族や旧友と会ったり。
『霧の中の風景』(1988)
幼い姉弟が見知らぬ父親を探してアテネからドイツへと向かう。
『ユリシーズの瞳』(1995)
ギリシア→ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
映画監督が、幻のフィルムを探す旅。
『永遠と一日』(1998)
ギリシア・テッサロキニ
病気の老詩人が、最期の別れをいうために追憶の旅に出、途中難民の少年と出会う。
『エレニの旅』(2004)
ギリシア
駆け落ちして旅芸人(音楽)として生きる。
『エレニの帰郷』(2009)
カザフスタン・テミルタウ、シベリア、ベルリンなど
スターリン、ベトナム戦争、時代に翻弄され世界中を駆け巡らざるおえなかった3人の男女の半世紀に及ぶ愛。